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フランス語「Coup d'État」クーデターと王政復古「Restauration」

クーデターとよく聞きますが、フランス語では「Coup d'État」です。

発音は(クデター)に近いです。 クーデターがあったなら、不定冠詞のunを使い、それに対して、王政復古「Restauration」は、定冠詞を使うことがおおいです。

ご参考になることもあるかと思いますので、フランス語を始めるヒントになれば幸いです。

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フランス語政治用語解説:「Coup d'État」と「Restauration」

ナポレオン1世時代までの歴史的展開

フランス語には、政治的変動を表現する独特な用語が数多く存在します。

その中でも「Coup d'État」(クーデター)と「Restauration」(王政復古)は、フランス革命からナポレオン1世時代にかけての激動の政治史を理解する上で欠かせない重要な概念です。

「Coup d'État」の語学的解析

「Coup d'État」は(クーデター)で、フランス革命からナポレオン1世時代にかけての激動の政治史で起こったのです。

語源と語構成

Coup d'État [ku deta] は、以下の要素から構成されています: - Coup (m.) = 打撃、一撃、手段 - d' = de(〜の)の縮約形 - État (m.) = 国家、政府

直訳すれば「国家への一撃」となり、既存の政治体制に対する突然で決定的な攻撃を意味します。

語法上の特徴

この表現は、フランス語特有の所有格構造(前置詞 de + 名詞)を用いており、「国家に対して加えられる打撃」という受動的ニュアンスと、「国家を狙った一撃」という能動的ニュアンスの両方を含んでいます。

テルミドールのクーデター(1794年7月27日 = 共和暦テルミドール9日)

革命期最重要のクーデターです。

フランス語での呼称: - 正式名称:「le Coup d'État du 9 thermidor an II」 - 通称:「Thermidor」

ブリュメール18日のクーデター(1799年11月9-10日)

ナポレオンによる最も有名なクーデターです。

フランス語での呼称: - 正式名称:「le Coup d'État des 18 et 19 brumaire an VIII」 - 通称:「18 Brumaire」

ただ、クーデターは世界中で政変がある度に起こることで、○○の国でクーデターがあったという場合は、不定冠詞を使います。

Un coup d'État a eu lieu cette année. (今年クーデターが起こった)

それに反して、王政復古は数回ですので、○○の王政復古と定冠詞を使うことになります。

「Restauration」の語学的解析

クーデターで政変でナポレオン1世の帝政時代が終わり、また王政復古になると、

語源と語構成

Restauration [restɔrasjɔ̃] は、ラテン語「restauratio」から派生: - ラテン語動詞「restaurare」(修復する、復元する) - 接尾辞「-ation」(行為・結果を表す)

この変遷は段階的移行を示しています。

第一次王政復古(Première Restauration, 1814年)

「Restauration」概念の具現化

1814年のナポレオン失脚により、ブルボン朝が王位に復帰しました。

フランス語での表現: - Première Restauration(第一次王政復古) - Retour des Bourbons(ブルボン家の帰還) - Restauration de la monarchie légitime(正統王政の復古)

正統性の言語的構築

「Coup d'État」と「Restauration」は、単なる政治的事実の記述にとどまらず、政治的正統性を主張する言語的手段としても機能しました。

Restauration の政治的含意: - 歴史的権利の回復 - 革命の「逸脱」性の強調 - 伝統的秩序の正当性

結論:言語と政治の相互作用

フランス語の「Coup d'État」と「Restauration」の歴史的展開は、言語が政治的現実をいかに形作り、同時に政治的現実によっていかに形作られるかを示す優れた事例です。



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