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フランスの国家主権への他国!アメリカ大使館からのレター

3月末にアメリカ大統領署名付きのレターがアメリカ大使館から複数のフランス企業へ送られてきました。

レターの内容はフランスの主権:la souverainetéを脅かすものです。

フランスでは特に「souveraineté nationale」という概念は歴史的・政治的に重要で、フランス革命以降の国家形成において中心的な概念となっています。
では早速みてみましょう。


フランスの国家主権への他国干渉

 

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【併せて聞き流し】

フランスへの他国干渉と国家主権

ドナルド・トランプが再びアメリカ合衆国大統領に就任し、大統領令に署名していました。

そ中の一つが、大統領令14173「違法な差別の終了と実力主義に基づく職業機会の回復に関する大統領令」。

DEI「多様性・公平性・包括性」プログラムを「違法」と宣言するものでした。

フランスへ送られたアメリカ大使館からのレター

2025年3月29日、フランスの数十の大手企業と法律事務所に、一通の重要な書簡が届きました。

差出人はアメリカ合衆国大使館。「トランプ大統領が署名した大統領令は、国籍や事業を行う国に関係なく、米国政府のすべてのサプライヤーおよびサービスプロバイダーにも義務的に適用されることをお知らせします」と、 フランス経済大臣は、「フランス企業の包括性政策へのアメリカの干渉は不当な関税の脅威と同様に受け入れられない」

もので、アメリカの態度は明らかに他国の主権侵害であり、国際関係における一線を越えるものです。

国家主権を表す単語

国家主権を表すボキャブラリーは以下のものです。
主権:la souveraineté
国家の独立:l'indépendance nationale
主権の侵害:la violation de la souveraineté
主権国家:un État souverain
主権の原則:le principe de souveraineté

ここで「un État souverain」は不定冠詞「un」が使われているのは、これが特定の主権国家ではなく、一般的な概念としての「主権国家」(任意の主権国家、主権国家というカテゴリーの一つ)を指しているためです。

不定冠詞(un/une)の使用:

不特定の対象や一般的な概念を指す場合に使用 「ある一つの」「〜という種類のもの」という意味合い 例:「un État souverain」= 「ある主権国家」「主権国家というもの」

他の表現で定冠詞(la/l'/le)が使われる理由:

「la souveraineté」:主権という概念は抽象的で一般的な概念であり、定冠詞を使用 「l'indépendance nationale」:「国家の独立」も同様に抽象的概念 「le principe de souveraineté」:特定の「主権の原則」を指す

違いを示す例:

Un État souverain doit respecter le droit international. (ある/任意の主権国家は国際法を尊重しなければならない) L'État souverain de la France a une longue histoire. (フランスという特定の主権国家は長い歴史を持つ)

つまり、「un État souverain」という表現は、特定の国ではなく、主権を持つ国家という概念や種類を指す場合に使われるため、不定冠詞が適切なのです。

アメリカ大統領署名のレターが送られきた背景を解説しています。

まとめ

フランスの企業もアメリカの市場で契約を結べないのは、伊立です。
トランプ政権になり他国干渉が増えているなか、どう耐えられるかです。
国内産業として軍事産業の育成で経済規模を増やすことも欧州では急務です。

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