フランス語の「cumul des mandats」の意味は?
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「cumul des mandats キュミュル・デ・マンダ」といって選挙があると、良く聞く言い方があります。
マンダはフランス語で、任期のことです。
フランスの閣僚の在任期間は1年を切ることもあります。
在任中に問題発言や、所属党メンバーへの架空職への支払いなどで辞任へ追い込まれることがあります。
大臣の他にも、国会議員が小さな町の町長も兼務するなどがもあり、1つの職を全うするか、掛け持ちでするかで、仕事の薄さが問題にもなったりとあります。
これは合法なのかと、任期の面から見てみましょう。
「cumul des mandats」
オランド前大統領が任期中に選挙公約を守った一つのことにこの、
任期の兼務禁止というのがありました。
国会議員と市長の兼務を禁止することで、議員職に専心するようになるようにという思いです。
それにより、町長職を兼務していれば、町に不在となることも防げるとう考えからです。
国会議員が、他職を兼務できなくなるという職には、市長や、市議会の議長等があります。
いわゆる執行職です。
この法案の可決には、反対意見もありました。
国会議員にしてみれば、兼務できなくなるとそれだけ収入も減ります。
表向きの反対意見としては、市議会議長や市長職を兼務することで、その市町村の実態を国会議員として国政に反映させることができるというものでした。
市長職と国会議員を兼務している人にはそれだけの国政レベルでの経験があることで、兼務が禁止になれば、市レベルの問題を国会で提起できなくなるのは、国益の損失だということでした。
しかし、オランド元大統領の所属の社会党が国会で多数議席をとり、2014年に法案が可決され、執行は今年2017年からとなったのです。
フランスの大統領の任期現在5年です。
そして、国会議員(下院)の任期も5年です。
下院議員数は定員が577人、その三分の一が、市長を兼務しているということでした。
兼務が禁止となれば、このまま国会議員職か、市長職の選択が迫られます。
どちらか一方を選択しないといけないとなると、市長で再選されることを祈って、議員にはもう立候補をしないかです。
兼務していた議員数は約170人ということですので、中には市長職を選んだ旧議員もいます。
大臣職と市長の兼務
国会議員のダブル兼務が禁止となれば、大臣職の兼務はどうなのかです。
これは、禁止とはなっていません。
実際のところ大臣職の任期期間は短いです。
架空職問題、収賄問題など、平均して14か月くらいということです。
ですので、市長職を務めていた人が、大臣になった場合に、いつ大臣職を追われるか分かりません。
ですので、大臣になっても、市長職は辞めたくはないのです。
ところが、国会議員と大臣は別もので、大臣の任期兼務は法律で禁止となってはいません。
しかし、大統領となったマクロンさんは、大臣も兼務は禁止するとの要請をしました。
それで、総理大臣となった、フィリップ首相は指名を受け、ルアーブルの市長を辞めたのです。
反対の例で、マクロン政権発足直後に、大臣の辞任を余儀なくされたのが、法務大臣のベローさんでした。
マクロンさんを当選へと導いた大きな人物でしたが、党職員の架空職の容疑で辞任を決意しました。
特に法務大臣ということもあり、党メンバーへの架空職の嫌疑は留任は無理と判断したからです。
マクロンさんを当選に貢献したにもかかわらず、ひと月で大臣辞任となりました。
ベローさんの場合は、スピード辞任ということもあり、まだ市長職を辞めていなかったのが不幸中の幸いで、給料を貰い続けた例です。
市長職をとるか、国会議員を選択するかは、考えどころですね。
大臣職と市議会議員の兼務
このキュムール・デ・マンダの兼務職が無理なのは、執行職です。
前首相のフィリップ首相が、地元のルアーブルの市議会選に立候補をすると発表がありました。
これは、合法はどうかは、合法です。
禁止されているのは、執行職で、市議会議員であれば、首相と兼務するのは、許されています。
今回のマクロン政権下での、大臣で何人かは、市議会選へ立候補しています。
当選するかどうかは別にして、早くも滑り止め職を用意しているのかと思えましたが、市長選で勝利をして、首相職を去りましたね。
un mandat (任期)
l'interdiction de cumule de mandats (任期兼任の禁止)
la fin du député-maire ( 議員市長の終焉)
une promesse de campagne de François Hollande ( フランソワオランドの選挙公約の一つ)
以上で~す。